研究課題
線維筋痛症患者群と正常コントロール群に対して^<99m>Tc-ECDを用いたPatlakプロット法に基づいた測定法にて脳血流シンチグラフィー(SPECT)を施行し、SPM解析を加え検討を行った。これまで線維筋痛症のSPECT研究の報告はわずかであり、一貫した結果は得られていない。今回、SPECT結果と薬物治療効果を含めた臨床症状との相関解析を行い、今まで注目されていなかった脳内のdefault mode network領域の関与を示唆する結果を得ており、Arthritis Research & therapyに論文発表を行った。これは、これまでの慢性疼痛(線維筋痛症)に対する考え方を一新するものであり、大変重要かつ有意義であった。また現在、線維筋痛症患者群と正常コントロール群に対して、PET (positron emission tomography)を施行し、^<18>F-FDGを用いて糖代謝を測定したデータを収集中であり、さらに、対象患者群に対し、PETと同時に疼痛スケール、睡眠質問票、眠気尺度を用いて、痛みと睡眠状態の評価を行なっており、疼痛に対する治療前後での脳機能画像所見と睡眠状態の変化に関するデータ収集を行っている。これまでの研究で得た知見とあわせ、解析していくことで、線維筋痛症の病態解明につながる研究を行っていく予定である。今後は痛みを伴った糖尿病性神経障害、帯状疱疹後疼痛、などの他の慢性疼痛患者群についてもデータを収集し、同様に解析していく予定である。
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