本研究ではGRINファミリーの遺伝子機能を明らかにするために、GRIN3遺伝子の機能解析を行った。GRIN3がドーパミンD2受容体を介したシグナル伝達を増強すること、D2受容体量を増加させることを明らかにした。また、GRIN3がGRK2およびGRK6と結合することを明らかにし、そのメカニズムはGRIN3がGoと結合することにより、GRK2およびGRK6とGRIN3間の結合も強くなるという全く新規のものであった。GRIN3はGRKよるD2受容体の脱感作機能を阻害すると考えられた。また、GRIN3 KOマウスにおいて活動量の低下と著しい不安様行動を示すこと、ドーパミントランスポーター阻害剤に対する反応性が異なる点を明らかとした。
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