研究課題/領域番号 |
22791150
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
杉田 篤子 産業医科大学, 医学部, 助教 (40421333)
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キーワード | うつ病 / 運動療法 / ウォーキング / 成長因子 / 一酸化窒素代謝産物動態 |
研究概要 |
本研究は、うつ病患者に対する運動療法の効果メカニズムを画像および精神薬理学的な観点から検討するものである。具体的には、以下について明らかにする。(1)運動療法により、成長因子(BDNF,VEGF,IGF-1)が増加するのか?(2)運動療法により、eNOS活性や血中一酸化窒素代謝産物が増加し、血管内皮機能が改善し、脳血流は改善するのか?(3)運動療法による血液生化学的データ(中性脂肪、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、血糖値、HbA1c等)や血圧の改善、BMI、腹囲の減少は精神症状の改善と関連するのか?(4)運動療法が効果的な人を生物学的マーカーにより予測できるか?(5)Metsはうつ病の危険因子か? 本研究にあたり、当大学の倫理委員会にて、「うつ病に対する運動療法の効果メカニズムに関する精神薬理学的検討」として承認を得ており、産業医科大学神経・精神科およびメンタルヘルス外来を受診したDSM-IVの大うつ病性障害軽度~中等度の診断基準を満たす患者のうち、研究に関して書面で同意を得られた者を対象に運動療法として、ウォーキングプログラムを実施し、HAM-Dによる精神症状の評価、血圧、BMI・腹囲測定、採血および画像検査(MRI、SPECT)を行った。さらに、コントロールとして健常人に対しても同様の評価を行った。現在、上記各種バイオマーカーの測定を行っている最中である。今後、本研究を継続して遂行することで、症例を増やし関連を明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象者(うつ病患者12名、健常人28人)に対する運動療法を施行し、精神症状、血圧、BMI、腹囲、採血などの評価は、当初の予定どおり行えているが、画像検査については、倫理的な観点(SPCRTの場合は被爆する)から施行出来ていない者が多い。
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今後の研究の推進方策 |
画像評価については今後も施行できない可能性もあり、その他の生物学的指標(BDNF,VEGF,IGF-1、血中一酸化窒素代謝産物など)を中心に解析をすすめ、データをまとめていく。
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