研究課題
前年度の一卵性双生児不一致例の双極性障害患者および健常被験者由来のリンパ芽球タンパク質を用いた蛍光標識二次元発現差異電気泳動法(Two Dimensional Fluorescence Difference Gel Electrophoresis:2D-DIGE)により同定されたタンパク質に対する抗体を用いて、ウエスタンブロットの基礎的な検討を行った。同定されたタンパク質が多数あったので、抗体は同定されたタンパク質に対する抗体で市場に販売されているもので、なおかつこれまでの研究においてヒト由来サンプルを用いたウエスタンブロットで実績のある抗体を対象にした。健常被験者由来のリンパ芽球(以下、リンパ芽球については理化学研究所・脳科学総合研究センターにおける倫理委員会承認のもと、被験者に口頭および書面にて研究の意義、方法を十分に説明し、同意を得た上で採取した末梢血からリンパ球を分離し、EBVを用いて芽球化した細胞)を培養して抽出したタンパク質を用いて、15種類の抗体について化学発光と蛍光法によるウエスタンブロットの条件検討を行ったところ、8種類の抗体においてこの実験系でワークすることがわかった。双極性障害のバイオマーカー候補を探索するため、双極性障害患者および年齢と性別をマッチさせた健常被験者由来のリンパ芽球(各8サンプルずつ)を培養し、それぞれタンパク質を抽出し、internal controlを含む8種類のタンパク質についてウエスタンブロットを用いてcase-control studyを行ったところ、解糖系に関連したタンパク質において疾患の有無で差が見られることがわかった(P<0.05,t-test)。対象にしたサンプル数が少ないためさらなる検討が必要であるが、このタンパク質が双極性障害のバイオマーカーの1つとなる可能性が示唆された。
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Translational Psychiatry
巻: 1 ページ: e24
10.1038/tp.2011.26
http://www.riken.jp/index_j.html