研究課題
1)Bunker's methodsを用いて培養された正常脳神経細胞において、照射後24時間時点でのアポトーシスの頻度を指標とした場合、炭素イオン線のX線に対する生物学的効果比(RBE)は約10であった。神経細胞におけるF-actin・ドレブリン・などの発現をX線照射後経時的に観察したところ、細胞骨格を形成するF-actinの発現が照射直後より有意に低下した。電子顕微鏡で観察したところ、軸索の細小化とシナプス形状の変化が確認された。また、これらの変化は、アクチン・フィラメントの脱分極が主たる原因であると推測された。(2011年米国放射線腫瘍学会で報告)。2)発達期のラット小脳培養組織において、X線及び炭素線照射を行った後、小脳組織の形態を経時的に観察したところ、時間及び線量依存的に、小脳・外顆粒層の肥厚と顆粒細胞の凝縮が認められた。また、X線と炭素線で効果を比較したところ、炭素線の効果が同線量のX線の効果に比べ、約1.4倍大きいことが明らかとなり、発達期のラット正常小脳組織における、炭素線のRBEは1.4と考えられることが明らかとなった。(J Radiat Res 2012;53:87-92)3)低酸素状態など、照射条件(1回線量・酸素圧・など)を変えた場合のRBEについて検討では、腫瘍細胞において慢性的極低酸素条件(0.1mmHg以下、24時間以上)における酸素効果比(OER)は約2.6であった。mTOR抑制剤の併用によりOERは約1.1に低下したが、炭素イオン線では、mTORの併用による変化は認められなかった。
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