研究課題
横隔膜周辺の体幹部(胸部・腹部・骨盤部)に発生した癌に対し、放射線治療(根治目的・緩和目的は問わない)を行う症例を対象にしている。実際の放射線治療と全く同様の呼吸状態(自由呼吸下)・体位・ベッド・固定具を用いた状態で診断用の320列Multi-slice computed tomography (MS-CT)(東芝製のAquillion ONE)で、20秒間連続のシネ・モード撮影を行っている。それにより照射中の臓器の3次元的な位置座標の移動距離の大きさとその動きと呼吸周期との関連性を調査している。具体的には、食道癌の放射線治療中の4次元の動きに関する英語論文は英文雑誌にpublish済みである(Int J Radiat Oncol Biol Phys 2011 ; 79:588-595.)。肺癌(12症例)と乳癌術後(20症例)の放射線治療中の4次元の動きに関してはそれぞれ予定の症例全て終了しており、データ解析も終了、英語論文化まで終了しており、現在査読のある海外雑誌に投稿中である。胃癌の4次元の動きに関しては予定の12症例全てにおいて320MSCT検査は終了しており、データ解析中である。今後論文化し、投稿予定である。肝細胞癌の照射中の4次元の動きに関しては登録予定12症例中8症例まで320MSCT検査は終了している。症例登録を継続中である。放射線治療施行時と同等のベッドならびに体位で撮影した20秒間の動きのデータが得られ、様々な臓器における放射線治療中のintra-fraction motionに関する詳細で正確な情報がまとめられている。このデータは今後の強度変調放射線治療(IMRT)などでCTV-PTVマージン(internal margin)を決定する際に非常に有用なデータである。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
International journal of radiation oncology, biology, physics
巻: 79(2) ページ: 588-595