本研究は、ライナックを用いた強度変調回転治療中にコーンビームCTを撮像し、観測したリニアックパラメータとともに患者に投与された真の線量分布を再構成するとともに、その線量分布から次回以降の治療計画へフィードバックするシステムの開発を目指している。平成22年度において、コーンビームCTの線量分布を評価した最適化計算を可能にし、また、治療中に撮像されたコーンビームCTによる臓器移動の評価を行なった。 また、リニアックパラメータを治療中に取得し、機器精度による誤差を評価した。これらは国際雑誌、4月の国内学会および5月の国際学会にて報告済みか報告予定である。 また、コーンビームCTの4次元化を開発し、経時的最適化への応用を進めている。これは国際雑誌に論文を投稿中である。頭頸部がんに対しては、治療期間中の体型変化、臓器変形などをDeformable Image Registration法によって評価した。これは2010年のヨーロッパ腫瘍学会の物理部門のBest Poster Award Top20に選ばれている。 コーンビームCTの画質の悪さが、線量計算やDeformable Image Registrationの精度に大きく影響を及ぼしている。コーンビームCTの画質改善に向けた研究も並行して継続中である。
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