研究課題
本研究では、ライナックを用いた強度変調回転治療中にkVの診断用コーンビームCTを撮像し、同じく治療中に取得したリニアックデータとともに患者に投与された真の線量分布を再構成するとともに、その線量分布から次回以降の治療計画へフィードバックするシステムの開発を目指してきた。平成23年度において、コーンビームCTの4次元化(4D CBCT)を可能とするシステムを開発し、その4D CBCTを用いた治療中の線量分布計算手法を実現した。また、肺がんと前立腺がんに対し、治療中に撮像されたコーンビームCTによる臓器移動の評価を行なった。肺がん、頭頸部がん、前立腺がんに対しては、リニアックデータを治療中に取得し、機器精度による誤差を評価することができた。放射線治療は、治療を何度も繰り返し実施することで正常組織を回復させながらがん治療を行うのが一般的である。治療初期において、複数回の実際に行われた治療の実績を、本研究で実現された上記手法により、評価することができるようになった。またその実績の評価から、その後の治療にフィードバックすることが可能となった。本研究ではさらに、コーンビームCTの画質が線量計算やDeformable Image Registrationの精度に影響を及ぼすことがわかり、コーンビームCTの画質改善に向けた研究も並行して進めてきた。平成23年度に実施した研究の成果は国際雑誌、国内学会および国際学会にて報告済みもしくは報告予定である。
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