本研究では、生理的食塩水等の臨床的に用いられている薬剤を使用し、MRIを併用することにより、新しいリンパ管・リンパ節のイメージング法を開発することが目的となる。初年度は、まず詳細な分析に用いることができる高精細なMRI画像を得ることを目標とした。そこで、申請者の前所属先である米国国立がん研究所のMRI研究者および日本の高島製作所の技術者と本研究に用いる小動物用MRIコイルの開発を行った。最終的にはサドル型MRIコイルが最適と考え、本補助金で同物品を購入した。これにより非常に細密なMRI画像の取得が可能となった。また、共同研究の一環として米国国立がん研究所において、光イメージング装置(Fluorvivo300)を用いて、量子ドットによるリンパ管およびリンパ節の画像化の検討を行った。本方法で用いようと考えている、手背への薬剤の皮内投与によりマウスの前肢のリンパ管およびリンパ節の描出が可能であることが確認できた。この結果は、次年度のMRIを用いたマウスでの基礎実験につながると考えられた。
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