研究概要 |
今年度は,肺気腫領域の機能画像評価として,現在までに取得した自動被曝低減装置を用いた低線量CTの画像データと通常線量におけるCTの画像データの解析を主に行った.本研究では,(1)自動被曝低減装置を用いた低線量CTと通常線量におけるCTでの被曝線量の比較,(2)機能画像評価において自動被曝低減装置を用いた低線量CTでの至適域値の決定,(3)至適域値を用いた場合の自動被曝低減装置下低線量CTと通常線量におけるCTでの機能画像評価の比較,を目的とし,(1)自動被曝低減装置を用いた低線量CTでは平均約75%の線量が低下していた,(2)自動被曝低減装置を用いた低線量CTでは至適域値を変化させる必要がある,(3)至適域値を変化させた場合,通常線量での呼吸機能評価と自動被曝低減装置を用いた低線量CTでの呼吸機能評価では強い相関関係が見られた,という結果をえた.これにより自動被曝低減装置を用いた低線量CTにおいても至適域値を変化させることにより通常線量と同程度の呼吸機能評価が可能であるという結論に至った.この研究結果に関しては,学術雑誌のひとつであるEuropean Journal of Radiologyに投稿し掲載が確定している. また間質性肺炎や肺高血圧症など他の疾患での低線量CT下での評価,肺気腫領域における気管支内腔体積評価などの新しい機能画像評価法を用いた場合の低線量CT下での評価,本施設に導入されている領域検出器型CTにおける低線量評価に関しては現在画像データの取得と解析を進めている.
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