研究概要 |
今年度は,肺気腫領域の機能画像評価として,現在までに取得した画像をもとに更なる低線量CTにおける機能画像診断を目的における評価を主に行った.現在,低線量CTで主流となりつつあるIterative Noise Reduction Techniqueという技術を用いることで更なる低線量化を図ることが出来ると考える.本研究は肺気腫患者を対象とし,気管支評価として気管支内腔容積評価と気管支壁肥厚評価という評価法を用いて,呼吸機能画像において,低線量CTにおけるIterative Noise Reduction Techniqueを用いた画像評価と用いなかった場合の画像評価を通常線量CTと比較することを目的としたものである.今回用いた画像における線量は通常線量では150mAs,低線量CTでは25mAsであり,約17%に低減している. この研究における結果は以下の通りである. 1.標準線量の画像とIterative Noise Reduction Techniqueを用いた画像では全例解析が可能であったが,Iterative Noise Reduction Techniqueを用いない画像では解析不能な症例があった. 2.Iterative Noise Reduction Techniqueを用いた画像評価では標準線量で得られた評価と強い相関が見られた, 3.気管支内腔容積評価において両者のばらつきが軽減するとともに,呼吸機能との有意な相関が見られた. これにより,Iterative Noise Reduction Techniqueを用いることで更なる低線量化を行うことができるという結論に至った.この研究結果は,北米放射線学会,欧州放射線学会などに積極的に成果の発表を行うとともに,海外一流誌や国内学会誌などに論文掲載として発表する予定である.
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