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2010 年度 実績報告書

ヒト乳癌における時計遺伝子発現の意義と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22791243
研究機関弘前大学

研究代表者

諸橋 聡子  弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90569592)

キーワード乳癌 / 時計遺伝子 / 治療 / アポトーシス / DEC / 転写因子
研究概要

時計遺伝子であるbHLH型転写因子DEC1およびDEC2は、時計中枢である視交叉上核で、概日リズムを形成する。一方、免疫応答系や種々の組織分化の制御、癌化や低酸素応答、アポトーシスの制御など、生体内における様々な生理現象に関与することが報告されている。しかし、乳癌細胞における機能は十分に解明されていない。
ヒト乳癌細胞株MCF-7において、TNF-αによりアポトーシスを誘導しDEC1,DEC2の発現を解析した。ヒト乳癌細胞株において、DEC1,DEC2の発現は、TNF-αにより濃度依存性に上昇し、TNF-αで誘導されるアポトーシスに関連していることを証明した。また、siRNAによりDEC2の発現を低下させた乳癌細胞では、Baxの発現、PARPの発現、Caspase-7の発現がそれぞれ上昇していることを確認した。また、DEC2の発現を低下させた乳癌細胞では、コントロールに比べ、細胞増殖能が11%低下していることが示された。しかしながら、DEC1の発現を低下させた乳癌細胞では、細胞増殖能に変化は見られなかった。このような結果から、DEC2はヒト乳癌細胞株MCF-7において、アポトーシス・増殖能において、重要な制御機構を持つことが示唆された。
以上のことから、乳癌の発育進展機構には、DECを介した概日リズム機構が関与している。時計遺伝子の研究は、概日リズム機構を考慮した新たな治療戦略の解明につながると考えられる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Anti-apoptotic effect of the basic helix-loop-helix (bHLH) transcription factor DEC2 in human breast cancer cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Liu Y, Sato F, Morohashi S, et al.
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: Vol.15 ページ: 315-325

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Vimentin expression of esophageal squamous cell carcinoma and its aggressive potential for lymph node metastasis.2010

    • 著者名/発表者名
      Jin H, Morohashi S, Sato F, et al.
    • 雑誌名

      Biomedical Research

      巻: Vol.31 ページ: 105-112

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anti-apoptotic effect of claudin-1 in tamoxifen-treated human breast cancer MCF-7 cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Akasaka H, Sato F, Morohashi S, et al.
    • 雑誌名

      BMC Cancer

      巻: Vol.10 ページ: 548

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本病理学会2010

    • 著者名/発表者名
      羽賀敏博、諸橋聡子、佐藤冬樹, など
    • 雑誌名

      生体肝移植術が施行された成人発症II型シトルリン血症の1例

      巻: 27 ページ: 100-104

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本病理学会2010

    • 著者名/発表者名
      赤坂治枝、諸橋聡子、神寛之、堤伸二、大橋大成、工藤康之、原精一、佐藤冬樹, など
    • 雑誌名

      甲状腺混合性髄様・濾胞細胞癌の1例

      巻: 27 ページ: 115-118

    • 査読あり
  • [学会発表] 診断が困難であった乳腺症型線維腺腫の1例の病理学的検討2010

    • 著者名/発表者名
      諸橋聡子
    • 学会等名
      日本臨床外科学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      2010-11-21
  • [学会発表] 乳腺に発生した腺脂肪腫の1例2010

    • 著者名/発表者名
      諸橋聡子
    • 学会等名
      第18回日本乳癌学会学術総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌(札幌市)
    • 年月日
      2010-06-25
  • [図書] 前癌病変の病理 胆道癌の前癌病変の病理2010

    • 著者名/発表者名
      堤伸二、小笠原絋志、原精一、赤坂治枝、神寛之、工藤康之、諸橋聡子、佐藤冬樹, など
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      医学書院
  • [図書] 虫垂の腫瘍2010

    • 著者名/発表者名
      諸橋聡子、佐藤冬樹、鬼島宏
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      先端医学社

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公開日: 2012-07-19  

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