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2012 年度 実績報告書

脂肪肝による肝移植への挑戦-虚血再還流障害から移植を炎症と凝固を礎として

研究課題

研究課題/領域番号 22791247
研究機関三重大学

研究代表者

岸和田 昌之  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40501961)

研究期間 (年度) 2010-10-20 – 2014-03-31
キーワード脂肪肝 / 虚血再還流障害 / トロンボモジュリン / 凝固・抗凝固因子 / 生体肝移植 / ADAMTS13 / VWFpp / 血栓性微小血管障害症
研究概要

研究成果報告は①動物実験におけるフルクトース脂肪肝モデルラットの作製、トロンボモジュリン(TM)の投与結果②臨床試験における生体肝移植患者における抗凝固因子の測定である。
①一項目目としての脂肪肝ラットの作成は、薬剤誘導性より実際に臨床上問題となっているファーストフードによるフルクトース誘導性脂肪肝を作成した。病理学的に脂肪沈着を確認し、軽度であるも血中中性脂肪は差を認めた。フルクトース誘導性脂肪肝ラットにおける虚血再還流障害の凝固障害・炎症反応の解析において、肝機能は上昇するもTM投与群における血栓形成抑制作用は、軽度の免疫染色による類洞内フィブリン沈着、血清FDP濃度は差を認めるも有意差を認めるまで至らなかった。抗炎症効果もTNFαおよびIL-6の肝全体における発現を比較するも有意差がなく、TMの投与量やタイミングを再考中である。
②二項目目は生体肝移植周術期の血液臨床検体における炎症および凝固因子の測定と合併症の発生率を検討した。生体肝移植周術期の術前,術後1,7,14,28日目に採血し,血小板数,ADAMTS13,VWF,VWF propeptide の術前術後の動態を分析し、肝移植術後の合併症である肝類洞内の血栓性微小血管障害症(Thrombotic microangiopathy ;TMA)との関係を探索した。結果として肝移植後の死亡例におけるADAMTS13の低下とVWFpp,VWFpp/ADAMTS13比の上昇は重篤な肝類洞内皮障害を反映していることが示唆され,特にVWFpp/ADAMTS13の測定は,血小板凝集による消費に左右されることなく,肝移植後の予後規定因子であるTMA発症を早期に予測できる可能性があると考えられた。TMAを診断するうえで,VWFppはVWFよりも有用なマーカーであり,これらは学術上有用であると考えられ、投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脂肪肝ラットモデルにおける解析が予定より遅れていること

今後の研究の推進方策

薬剤投与量やタイミングを再考慮する

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公開日: 2014-07-24  

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