本研究は、免疫グロブリン大量投与療法によるT細胞制御機構を解明し、臓器移植における新規免疫抑制療法の開発を目標とした。ヒトリンパ球混合試験(MLR)を用い、IgG-Fc部にHLA拘束性のT細胞応答抑制作用が存在することを確認した。そこで、IgGのC末端H鎖Peptide 289を作成し評価したところ、T細胞抑制効果は認めるものの、従来の免疫抑制剤に比べ優位ではなかった。また、IgG-Fc部の免疫制御のメカニズムを解明するための、MLRによる反応性T細胞のSTATシグナル伝達機構の解析系を開発した。
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