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2010 年度 実績報告書

生体吸収性ポリマーパッチを用いた消化管再生療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22791258
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

岡田 克也  埼玉医科大学, 医学部, 助教 (60364775)

キーワード生体吸収性ポリマー / 消化管再生
研究概要

本研究は、消化管におけるあらゆる病変の切除範囲を最小限にとどめ、生体機能を温存させることを可能にする人工腸管壁の開発を目的として、ブタを用いて行ったものである。人工腸管壁として、独自に開発した生体吸収性ポリマー(ポリ乳酸とポリカプロラクトンの共重合体にポリグリコール酸の線維で補強したもの)を用いた。胃壁の再生に関して、およそ8cm四方の生体吸収性ポリマーを移植し、nativeに近い形での再生は既に実証済みである。今回、筋層の再生促進を目的にポリマーにb-FGFを添加したが、非添加のものと明らかな変化は見受けられなかった。また、胃、小腸において腸管全周性の移植(間置)を試みたが、消化管再生は成功し得なかった。しかし、食道壁を一定の大きさ欠損させ同生体吸収性ポリマーパッチを移植したところ、12週後にはnative同様の食道壁が再生していた。また、大腸壁の一部を欠損させて同様に本素材を移植したところ、やはりnative同様の大腸壁が再生することが分かった。本素材が、胃だけではなく、食道、大腸など他の消化管の再生を目的として利用可能であることが示された。食道は壁の一部が欠損した状況において、食道切除や他臓器による再建など過大侵襲を伴う治療を必要とする。さらに大腸壁の欠損では、人工肛門形成など著しくQOLの低下を伴う治療が必要となる場合がある。このような背景の中で、この生体吸収性ポリマーがあらゆる消化管再生に利用可能となる可能性が示されたことは、あらたな治療法開発の一端と成り得るものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 経直腸NOTES操作孔閉鎖を目的とした腸管閉鎖用パッチの開発2010

    • 著者名/発表者名
      合川公康、岡田克也, ほか
    • 学会等名
      第23回日本内視鏡外科学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2010-10-19
  • [学会発表] Treatment for esophageal defects with bioabsorbable polymer2010

    • 著者名/発表者名
      M. Aikawa, K. Okada et al.
    • 学会等名
      Asian Pacific Digestive Week 2010
    • 発表場所
      KualaLumpur Convention Cent.(Malaysia)
    • 年月日
      2010-09-21
  • [学会発表] Development of an Artificial Gastric Wall Using Bioabsorbable polymer2010

    • 著者名/発表者名
      合川公康
    • 学会等名
      Digestive Disease Week 2010
    • 発表場所
      Ernest N.Morial Convention Center (New Orleans)
    • 年月日
      2010-05-04

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公開日: 2012-07-19  

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