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2011 年度 実績報告書

肝癌幹細胞を標的とした根治的療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22791278
研究機関大阪大学

研究代表者

畠野 尚典  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40571352)

キーワード肝細胞癌 / 胆管細胞癌 / 標的治療 / 標的治療
研究概要

癌幹細胞(CSC)は癌の根源となる細胞であるため、これらの癌幹細胞を標的とすることにより癌の根治が可能であると考えられている。われわれはこれまでに、肝細胞癌(HCC)においてCD13陽性細胞が癌幹細胞としての性質を有し、また活性酸素種(ROS)のスカベンジャー経路に関わることで、治療抵抗性等を示すと考えた(The Journal of Clinical Investigation. Volume 120, Number 9. September, 2010)。またこれらの結果から、CD13が単に癌幹細胞の表面マーカーのみならず、CD13自身が未知の機能を持ち合わせており、その機能によってCD13を発現している細胞が癌幹細胞様の性質を発現もしくは獲得しているのではないかと考え、これらを検証する目的で、CD13陽性細胞の腫瘍内での局在や発現様式・臨床病理学的特徴との関連について現在研究を進めている。
当院での肝切除症例83例のパラフィン切片を免疫染色しCD13の発現を調べた。このCDI3の発現形式としては、「細胞質が染まるパターン(40%)」・「細胞膜全体が染まるパターン(23%)」・「毛細胆管の様に細胞間隙が染まるパターン(100%)」といった3つのパターンに分類できた。一方これら発現パターンと「患者因子」・「腫瘍因子」および「予後(無再発生存率・全生存率)」との関連は残念ながら見出せなかった。また全例に発現を認めた「毛細胆管の様に細胞間隙が染まるパターン」では、癌の分化度との関連がある可能性を認めた。
今後は更に詳細な検討と、CSCを更に明確に同定できるマーカーの検索を行い全く新しい治療法の開発を目指している。また肝臓癌における幹細胞発癌を解明し、幹細胞における遺伝子変化を解析することにより、発癌リスク診断や発癌予防薬の開発に繋がるものと思われる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Increased CD13 Expression Reduces Reactive Oxygen Species, Promoting Survival of Liver Cancer Stem Cells via an Epithelial-Mesenchymal Transition-like Phenomenon2011

    • 著者名/発表者名
      Kim HM, et.al.
    • 雑誌名

      Annals of surgical oncology

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The future prospects and subject of the liver cancer stem cells study for the clinical application2011

    • 著者名/発表者名
      Haraguchi N, et.al.
    • 雑誌名

      Gastroenterology

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Assessment of CD13 expression in clinical hepatocellular carcinoma(HCC)-肝細胞癌臨床検体におけるCD13発現の検討-2011

    • 著者名/発表者名
      畠野尚典, 他
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011-10-04
  • [図書] 実験医学vol.29No.13(8月号)20112011

    • 著者名/発表者名
      畠野尚典, 他
    • 総ページ数
      130
    • 出版者
      羊土社

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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