| 研究概要 |
本研究は動物実験によって、人工血管感染の新しい予防法の開発を狙いとしている。具体的にはDNAワクチンの技術を血管外科領域に導入し、最も治療抵抗性であるMRSAを対象として、人工血管感染の予防法として確立することである。交付申請書に記載したとおり、22年度は(1)MRSAワクチンの合成方法の確立(2)MRSAワクチンの体内導入法の確立を目標としていた。
(1)MRSAワクチンの合成に関しては、現在難渋しておりDavidらの方法ではワクチン合成の確立にいたっておらず、現在はHu DLらの方法(Infect Immun. 2005 Jan ; 73 (1) : 174-80.)を引用して作成中である。
(2)MRSAの体内導入法に関しては、交付申請書にはラットの腎臓の重症感染症モデルを用いると記載したが、文献検索の結果、MRSA縦隔炎モデルの方が研究内容に合致すると考え変更した。
現在、ラット(albino rat 200-240g)の縦隔内にMRSAに汚染させた閉胸用ステンレス糸(4B&S22 SURGICAL STEEL/ETHICON)、およびMRSA 1×107CFU/0.5mlを投与する(Journal of Chemotherapy (2006) 18, 268-277)という縦隔炎モデルはおおむね手技的に安定してきており、(1)のDNAワクチン合成が達成され次第、遺伝子銃、electroporation、sonoporationでの導入を行う予定である。
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