研究概要 |
まずマウス肺移植での急性拒絶モデルの確立を目指し,移植後1週間以内に強い拒絶反応を生じておりこれに準じて評価のタイムポイントを設定した.次にノックアウトマウスを用いた肺移植を行った.Egr-1をレシピエントでノックアウトする群とドナーでノックアウトする群それぞれの拒絶反応を評価,検証した.移植肺機能としては血液ガス分析,病理組織,さらにフローサイトメトリーにて浸潤細胞を評価した. さらにSpred2ノックアウトマウスについては同系移植を想定した温虚血モデルによる虚血再還流障害への影響を検証した. 2011年度までの結果より,Egr-1が虚血再灌流障害に強く関与することが示唆されたが,Egr-1をノックアウトすることにより移植後の急性拒絶反応を有意に抑制する結果を得た.この成果は2010年の国際移植学会で発表,European Journal of Cardio-Thoracic Surgery誌に投稿しacceptされた. Spred2ノックアウトによりMAPKを促進した虚血再還流障害の研究結果は2012年8月国際移植学会にて発表予定である.
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