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2011 年度 実績報告書

三次元構築を持つ組織再生を目指したコラーゲンゲル内における間葉系幹細胞の分化誘導

研究課題

研究課題/領域番号 22791318
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

河合 紀和  奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40458013)

キーワード再生医療 / 組織工学 / 細胞・組織 / 骨芽細胞 / 間葉系幹細胞
研究概要

前年度に引き続いて、ラットの間葉系幹細胞を液状のコラーゲンと混合、三次元培養し組織を作成した。組織作成中に間葉系幹細胞が骨芽細胞へ分化するように誘導した。前年度に明らかとなった、「間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化の効率が、コラーゲンゲル内での三次元培養の方が培養皿上での二次元培養より高い」メカニズムを明らかにするため、幹細胞の骨芽細胞への分化に関連しているRunx2、osterix遺伝子の発現について検討した。
培養液にアスコルビン酸-2-リン酸、デキサメタゾン、β-グリセロフォスフェイトを添加することによってコラーゲン内での三次元培養では培養皿上での二次元培養と比較して、培養初期にRunx2遺伝子が高く発現した。また、培養後期にはosterix遺伝子の発現が上昇した。Runx2遺伝子は幹細胞が骨芽細胞へ分化する方向付けに関与しているとされ、また、osterix遺伝子はRunx2遺伝子の下流に機能し、骨芽細胞の成熟に関与しているとされているため、培養初期のRunx2遺伝子の高発現が、間葉系幹細胞の骨芽細胞へ分化を誘導し、その後osterix遺伝子が機能することによって、骨芽細胞への分化の効率が培養皿上での二次元培養より高いくなるものと考えられた。
今回の検討からコラーゲンゲル内での三次元培養では培養初期にRunx2遺伝子が高く発現することによって間葉系幹細胞が骨芽細胞への分化が方向付けられ、培養皿上での二次元培養より高い効率で骨芽細胞へ分化することが明らかとなった。
現在のところ、三次元培養によってRunx2遺伝子が高発現するメカニズムは明らかではない。しかし、細胞が培養される環境が生体内に近いなどの可能性が考えられる。今回は間葉系幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導する実験系を用いてコラーゲンゲル内での三次元培養の有用性を検討したが、同方法はその他の幹細胞をその他のターゲットとなる細胞へ分化誘導することにおいても有用な可能性があると考えている。

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公開日: 2013-06-26  

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