研究課題
若手研究(B)
肺気腫に対する再生医療は動物実験レベルでは既に実現されており、気道内および肺動脈内への徐放化basic-FGF製剤の投与により肺胞隔壁の修復が生じることが確認されている。しかし、これらの経路での投与は少なくとも一時的に肺機能を障害する可能性があるため臨床応用に至っていない。我々は呼吸機能障害の可能性がより少ない投与経路として胸腔内への徐放化basic-FGF 製剤の投与を検討した。14 週齡のSprague-Dawley ラットを用いて気道内へのエラスターゼを注入により肺気腫モデルを作成した。このモデルの胸腔内へ徐放化basic-FGF製剤を注入し、14日後に肺を摘出して組織学的に評価した。肺のmean linear interceptは、治療側が65.1±7.0 μmで非治療側の114.4±7.5 μmに比べ有意(p=0.0005)に短く、胸腔内への徐放化basic-FGF製剤の投与により肺胞の再生が生じることが確認された。
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