研究概要 |
悪性神経膠腫において現在の標準治療であるテモゾロミドや放射線治療によってオートファジーが誘導されることが報告されており、アポトーシス、非アポトーシス細胞死、細胞周期、ユビキチン等との関連が示唆されているが、その役割については不明な点が多い。本研究の目的は、悪性神経膠腫の治療により誘導されるオートファジーを形態学的に、また、分子生物学的にモニタリングすることにより、腫瘍細胞内でのオートファジーの役割を解明し、新たな治療戦略への手掛りとすることである。 Glioma cell line (U-87MG, U-373MG)に対するTemozolomideの抗腫瘍効果とその機序についてin vitroで下記の内容について検討を行った。 (1)オートファジーの誘導を電子顕微鏡、acridine orange facs解析、GFP-LC3 dots assay、LC3B抗体を用いたWestern blotting・免疫染色にて評価。 (2)アポトーシスの誘導をHoechst染色、TUNEL染色、DNA flowcytometoryにて評価。 (3)cell cycleをDNA flowcytometoryにて評価。 本年度は以上の内容について検討を行った。 来年度は順次下記の実験を継続する。 (4)ユビキチン-プロテアソーム系蛋白質分解との関連を免疫染色にて評価 (5)タイムラスプイメージング autophagyの経時的変化を形態学的に観察する方法としてよりシンプルで分かりやすい方法である。位相差+蛍光顕微鏡(GFP-LC3)のリアルタイムモニタリングでオートファジーとアポトーシスを同時に観察することが可能となる。
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