研究課題
22年度は当施設にて過去に採取された22例の毛様星細胞腫に関して、病理学的再評価に取り組んだ。うち1例は診断が退形成星細胞腫であることが判明した。当該腫瘍については家族内の脳腫瘍発生、p53遺伝子変異があることが明らかとなり、Neuropatholgy and Applied Neurobiology誌に投稿中である(筆頭著者)。その他に、星細胞腫の悪性型である神経膠芽腫においてsphingosine-1-phosphate receptor type 1発現量が細胞分裂や予後と相関することをJournal of Neuro-oncology誌、およびInternational Journal of Cancer誌に発表した(共著)。また、神経膠芽腫における髄液播種と5-ALAによる脳室壁蛍光術中所見とが相関することを見出しJournal of Neurosurgery誌に発表した(共著)。神経膠芽腫におけるRNAiに関する知見をreviewし、RNA Technologies and Their Applications (Springer)に掲載した(共著)。小児脳腫瘍に合併した水頭症に対し、シャント手術の合併症に関する論文をNeurologica Medico-Chirugica誌に発表した(筆頭著者)。一連の業績は、悪性脳腫瘍における基礎と臨床を繋ぐ上で意義のあるものである。現在、毛様星細胞腫症例での遺伝子解析を進めており、IDH-1遺子変異および最近開発された変異IDH蛋白抗体による免疫組織学検索を行っている。来年度は更にBRAF遺伝子の解析を行い、毛様星細胞腫における病理組織と遺伝子変異による診断の相関、ならびに客観性の有無を検討する予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
Journal of Neurosurgery
巻: 112 ページ: 1015-1019
Neurologica Medico-Chirugica
巻: 50 ページ: 1122-1125
Journal of Neurooncology
巻: 98 ページ: 41-47
International Journal of Cancer
巻: 126 ページ: 2341-2352
RNA Technologies and Their Applications (Springer)
ページ: 107-129
http://kurt.kanazawa-u.ac.jp/souran_ku/info.php?teacher_id=240