• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

Wntシグナル制御による癌幹細胞および脳腫瘍増殖抑制作用の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 22791348
研究機関徳島大学

研究代表者

溝渕 佳史  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80547993)

キーワード脳腫瘍 / REIC-DKK-3 / Wntシグナル / 遺伝子治療
研究概要

近年手術療法、画像診断、化学療法の進歩によりさまざまな悪性腫瘍患者における5年生存率は増加している。しかしながら、グリオブラストーマにおいては、有効的な治療法はなく、この20年間、生存率の改善はない。よってグリオブラストーマ患者の延命を目的とした新たな治療の開発が急がれる。本研究ではWnt signal inhibitor、特にREIC/Dkk-3のグリオブラストーマに及ぼす作用に注目し、その機序を解明することによりグリオブラストーマの新しい治療法の開発を目指すことである。
申請者はREIC/Dkk-3の低下が脳腫瘍の増殖に関係していることを見出し、また、REIC/Dkk-3 plasmidを遺伝子導入することによりREIC蛋白を過剰発現させると、ミトコンドリアを介したアポトーシスが誘導されることを明らかにし、脳腫瘍におけるWntシグナルの重要性を証明した。(Neuro Oncol. 2008 Jun ; 10(3):244-53)一方、脳腫瘍の悪性度が高くなるに従い、Wnt signalのレセプターであるLRP6の発現は増加し、grade IVではLRP6が強発現していることを見出している。Wnt signalの活性化の増減が腫瘍細胞の増殖、細胞死に強く関与していることが推察され、その詳細な分子機序を解明し、新しい治療の開発を目的に研究を進めた。まずREIC/DKK3遺伝子治療を行うことをふまえてアデノREIC/Dkk-3を用いて検討を行った。腫瘍細胞増殖抑制効果がAd REIC/Dkk-3によっても認められることを確認した。また、western blot解析により、腫瘍増殖抑制効果に対するLRP6の関与やapoptosis誘導に関与している分子の解析行った。apoptosis誘導に関連する分子やTUNEL染色からAd REIC/Dkk-3のapoptosis誘導作用を確認した。現在LRP6を含むWntシグナルの受容体発現とAd REIC/Dkk-3との相互作用について解析している。また、担癌状態のヌードマウスにAdREIC/Dkk-3の遺伝子導入を行い、抗腫瘍効果を調べる準備を進めている。

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi