薬剤排出トランスポーターであるABCG2は、がん幹細胞に普遍的に発現しており、化学療法の治療抵抗性に関与している。一方、光感受性物質であるポルフィリンもABCG2の基質であることから、光線力学療法においてもABCG2は重要なターゲットとなりうる。 本研究では、ABCG2を臨床的に使用可能な阻害剤(gefitinib)の投与により、5アミノレブリン酸を用いた光線力学療法の増強効果があるのかを各種脳腫瘍細胞株を用いて検証した。その結果、gefitinib投与によりポルフィリンの細胞外への排出が減少するに従い、細胞内ポルフィリンが増加し、光線力学療法の効果も増強することを証明した。
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