DBA/1 mouseを用いて慢性経過関節炎モデルを作成し、SubABの関節炎抑制効果を確認した。関節炎は、SubABを投与することで関節腫脹をスコアリングすることにより評価するArthritis Scoreや病理組織学的検討においてコントロールと比較して抑制されることがわかった。以前我々が示した急性期関節炎モデルマウスの結果と同様に慢性モデルでも同様の結果であった。急性期モデルでは検討できなかった破骨細胞についても病理学的にTRAP染色で減少していることが確認され、目的通りの結果を得ることができた。このことが直接SubABの作用で起こっているのか、間接的なのか確認するため、In VitroでのSubABの効果をマウス骨髄細胞を用いて検討した。SubABで刺激するとRAW264.7細胞、マウス骨髄細胞から起こる破骨細胞分化が抑制され、TRAP染色陽性細胞の減少が確認できた。このことはreal time PCR法で破骨細胞マーカーを測定することでMRNAレベルでも確認することができた。この反応は、そもそもSubABがRANKの発現を抑制することにより起こっていることも確認され、SubABが直接的に破骨細胞分化抑制していることを示唆するものであった。破骨細胞分化抑制を示したSubAB濃度でマウス骨髄細胞からマクロファージへの分化抑制を起こさないかどうかもEACSで調べた。SubABは、骨髄細胞のマクロファージ分化を抑制しなかった。
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