研究課題
現在の日本では約10万人の以上の患者が麻痺を抱えたまま生活を余儀なくされており、毎年5000人以上の患者が脊髄損傷を来たし、発生率は若い世代で高く個人と社会に与える肉体的、精神的、経済的負担は極めて大きい。これまで我々はケラタン硫酸(KS)プロテオグリカン(PG)を中心に細胞外基質についての研究を進め、周知のPGであるコンドロイチン硫酸(CS)と同様の神経軸索再生抑制効果をもつことがわかった。本研究の目的は、いまだ未確立の脊髄損傷治療に対するKSPGの合成酵素(遺伝子)の神経軸索再生抑制効果、役割を調べることである。ケラタン硫酸に対する抗体としては現在、disulfationを認識するとされる5D4とmonosulfationを認識するとされるBCD4があり、当教室でのデータでは脊髄もしくは脊髄損傷後に発現が増加するケラタン硫酸は5D4のepitopeである蛋白であり(BCD4の発現に変化はみられない)、現在のところ5D4が脊髄損傷に関与していると考えられる。5D4-reactive-KSはマウスの中枢神経において週齢とともに減少した。脊髄損傷マウスの損傷部位を損傷後各週齢で取り出し、real-time PCRにより増加する合成酵素の同定を行ったところKSGal6ST-1の発現増加を認めており、脊髄損傷によるKS合成にとくにcriticalなものと考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Spinal Disord Tech
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J Neurosurg Spine
巻: 16 ページ: 147-153