研究概要 |
脊髄損傷の実験では、GlcNAc6ST-1-/-マウスでは脳損傷部位のグリア性瘢痕形成が抑制され、その結果神経再生が亢進した。下肢機能(BBB scoring, Foot print, Grid test)は有意に GlcNAc6ST-1-/-マウスの方が、野生型マウスと比較し回復が良好であった。 In vitro においては cell line に対し、ケラタン硫酸合成に関わる 7 種類の酵素(b3GlcNAcT-7,GlcNAc6ST-1,2,3,4,b4GalT-4,KSGal6ST-1)のうち in vitro、in vivo においてknock-down を行うことで、5D4-reactive ケラタン硫酸合成酵素を同定し、損傷脊髄においては、神経再生、腫瘍においては cell viabilityを検討する。すでにこれまで、cell line において GlcNAc6ST-2,3,4 の Knock-down では 5D4 の発現に変化はなく、GlcNAc6ST-1、KSGal6ST-1の knock-down により 5D4 の発現は抑制され、cell viability に変化が生じた。 脊髄損傷後神経機能回復阻害因子である 5D4-reactive ケラタン硫酸の合成阻害をすることは、脊髄損傷患者にとって神経再生への魅力的な治療手段となりうる。
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