研究課題/領域番号 |
22791377
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高尾 正樹 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30528253)
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キーワード | flat panel detector / 3DモバイルCアーム / 3Dfluoroscopic navigation / 術中リアルタイム3次元X線画像 |
研究概要 |
術前CT画像と3D-Cアームで撮影された術中3D-fluoroscopy画像を3D-3Dマッチングし、手術ナビゲーションを最小侵襲で行えるシステムを開発することが本年度の目標であった。 1.CT based 3D-fluoroscopy matching navigation systemの精度検証 骨盤、大腿骨の乾燥骨に金属マーカーを各8個ずつ固定し3D-CT撮影を行った。手術室で実際の手術の設定で乾燥骨を手術台に固定し、それぞれの骨にナビゲーション用トラッカーを固定し3D-Cアームの撮影を行った。画像データをナビゲーションシステムに送信し、3D-CTとのマッチングを行ったのち、乾燥骨に固定した金属マーカーをナビゲーションプローブでポインティングしNavigation精度を検証した。精度は骨盤平均0.8mm、大腿骨平均1.2mmで、臨床適用可能なレベルであることを確認した。臨床使用において重要な3DCアームの適切な撮影領域を探索し、骨盤は臼蓋外側縁から3cm近位部分、大腿骨側は小転子レベルの大腿骨骨幹部であることが明らかにした。 2.Navigation臨床応用のための仮想手術による検証と有用性検証 3D-fluoroscopic navigationやCT-based 3D-fluoroscopy matching navigation誘導下の手術シミュレーションのため、仙骨骨折に対する経皮的スクリュー固定の手術を遺体骨を用い行った。その有用性検証のため本手技の経験のない若手医師が手技を行い精度の検証を行った。CT-based 3D-fluoroscopy matching navigation誘導下の手術では皮質骨の突き破りがなかった一方で、3D-fluoroscopic navigation誘導下では皮質骨の突き破りが50%発生し、CT-based 3D-fluoroscopy matching navigationが術者の経験の有無に変わらず安全で確実な手術に貢献できることを証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CT-based 3D-fluoroscopy matching navigationの臨床使用のための前段階としての精度検証および仮想手術実験が行うことが本年度の目標であったが、それをおおむね達成し、論文報告も行えたので、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
3D-fluoroscopic navigationやCT-based 3D-fluoroscopy matching navigation誘導下に手術を実際に行い、その精度および有用性の検証を行う。また適用手術を拡大するため、骨切り手術やRevision THAの仮想手術を行い、適用方法の検証を行いつつ応用範囲の拡大を試みる予定である。
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