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2012 年度 実績報告書

尾部退行症候群を示すSd変異マウスの分子メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791388
研究機関熊本大学

研究代表者

仙波 圭  熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 特定事業研究員 (00398190)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードDanforth's short tail / Sd変異マウス / transposon / Ptf1a / 脊索 / 遺伝子破壊 / ES細胞 / 脊椎欠損
研究概要

我々はSdのコスミドライブラリーを使用した詳細なゲノム解析を行った結果、Sd表現型の原因はトランスポゾン(ETn)挿入変異であり、ゲノムトランスジェニックマウスの作出によりETn挿入に隣接したsense/antisense遺伝子が原因領域であることを証明した。このsense/antisense遺伝子領域であるGm13336 (AK)/Ptf1aをETn挿入変異アレルで破壊しSd表現型に与える影響を検討した。まず我々が樹立したSd/+-ES細胞のAK/Ptf1a破壊マウスを作出したところSd表現型が消失することがわかった。これによりSd遺伝子はAK/Ptf1a遺伝子であることが判明した。しかし、このsense/antisense領域はそれぞれAKとPtf1aの転写産物を作ることより、ETn alleleで破壊したAK/Ptf1a領域にAKとPtf1aの転写産物をノックインすることでそれぞれのレスキューマウスを作出した。すると、Ptf1aの転写産物のレスキューマウスのみでSd表現型を再現することができた。次に、Ptf1a領域にlacZを挿入することで変異アレルからのPtf1a発現が、脊索、cloaca、中腎で発現していることがわかった。これは、発生時期の膵臓で主に発現するPtf1aが、Sd胚で表現型を示す原基で異所性発現することで脊椎欠損、鎖肛、腎臓欠損の原因となっていることを強く示唆した。またSd胚の発現プロファイリングをしたところ、Sd胚においてCdx2、T発現が有意に減少していることがわかった。そこで、野生型ES細胞にPtf1aを強制発現させたところ、Cdx2、TだけでなくWnt3a、Cyp26a1も減少させることがわかった。このことは、Sd発症メカニズムは、Ptf1aの脊索、cloaca、中腎での異所性発現によるCdx2シグナル経路の抑制が原因であることを強く示唆した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ectopic expression of Ptf1a induces spinal defects, urogenital defects, and anorectal malformations in Danforth's short tail mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Semba K
    • 雑誌名

      PLoS Genet.

      巻: 9 ページ: 1-17.

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pgen.1003204. Epub 2013 Feb 21.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Cre knock-in mouse line on the Sickle tail locus induces recombination in the notochord and intervertebral disks.2012

    • 著者名/発表者名
      Abe K
    • 雑誌名

      Genesis.

      巻: 50 ページ: 758-65.

    • DOI

      doi: 10.1002/dvg.22035. Epub 2012 May 14.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 脊椎・脊髄―up to date, 「脊椎と脊髄の発生」2012

    • 著者名/発表者名
      仙波 圭
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience.

      巻: 30 ページ: 1094-7.

  • [学会発表] Caudal regression in Danforth’s short tail is caused by the ectopic expression of Ptf1a.

    • 著者名/発表者名
      仙波 圭
    • 学会等名
      第60回日本実験動物学会総会
    • 発表場所
      つくば市、つくば国際会議場
  • [学会発表] 脊椎形成の分子メカニズムの解析ーマウスからヒトへー

    • 著者名/発表者名
      山村 研一
    • 学会等名
      第26回日本軟骨代謝学会
    • 発表場所
      豊中市、千里ライフサイエンスセンター
    • 招待講演
  • [学会発表] Danforth’s short tail (Sd)マウスのゲノム変異と原因遺伝子領域の決定

    • 著者名/発表者名
      仙波 圭
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡市、福岡国際会議場
  • [学会発表] Danforth’s short tail (Sd)変異の原因はPtf1aの異所性発現である

    • 著者名/発表者名
      荒木 喜美
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡市、福岡国際会議場
  • [学会発表] 古典的なミュータントDanforth's short tail(Sd)に学ぶ

    • 著者名/発表者名
      山村 研一
    • 学会等名
      発生工学・疾患モデル研究会
    • 発表場所
      文京区、東京ガーデンパレス
    • 招待講演
  • [学会発表] 尾部退行症候群と関連するSickle tail (Skt)遺伝子および Danforth’s short tail (Sd)遺伝子

    • 著者名/発表者名
      山村 研一
    • 学会等名
      第103回BRCセミナー
    • 発表場所
      つくば市、筑波研究所
    • 招待講演
  • [備考] 熊本大学生命資源研究・支援センター・疾患モデル分野・Sd and Sktグループ

    • URL

      http://irda-genetics.kuma-u.jp/research/r06.html

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公開日: 2014-07-24  

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