脱ユビキチン化酵素UCH-L3欠損マウスは、網膜など一部を除けば病理変化は乏しいと考えられてきたが、我々はUCH-L3欠損マウスと野生型マウスの骨形態計測を行い、UCH-L3欠損マウスは野生型マウスと比較して骨量の多いことを見出した。マウス骨芽細胞においてUCH-L3を過剰発現させると、骨芽細胞分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ活性が低下した。マウス破骨細胞においては、UCH-L3の過剰発現による破骨細胞分化マーカーへの影響は見られなかった。これまでの研究結果から、UCH-L3は骨形成因子の制御に関わっている可能性のあることが示唆された。今後は、骨形成に関わる種々の因子と、それらのユビキチン化-脱ユビキチン化という観点から骨代謝機構の解明にアプローチする予定である。
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