(1)バイオマーカー(予後予測マーカー)の国内多施設における大規模検証 GIST予後予測マーカーであるPfetinタンパク質、及び滑膜肉腫予後予測マーカーであるSecernin-1タンパク質について特異抗体を用いた免疫染色による多施設大規模検証等を行った。GISTの大規模検証については、国立がんセンターを中心とする多施設共同研究「ゲノム・プロテオーム解析に基づく骨軟部腫瘍の分子病理把握とその臨床を目指す多施設共同研究」に基づき行った。第一次大規模検証セットとして、中心施設となる国立がんセンター、順天堂大学関連施設等より提供された、約300検体のパラフィン切片に対して免疫染色を行い、その発現と臨床病理学的解析を行った。その結果、pfetinが高発現している群は予後良好であり、低発現群は予後不良であることが、有意差を持って示された。その結果は、我々が既に論文にて発表している結果を正しいことを強く指示する結果となっており、論文発表を行った。滑膜肉腫予後予測マーカーであるSecernin-1タンパク質における免疫染色による検証についても有意差を認めており、論文発表を行った。次年度においても両腫瘍共にさらなる追加検体を使用しさらなる検証を進めていく予定である。 (2)GISTにおけるPfetinタンパク質及び滑膜肉腫におけるSecernin-1タンパク質の機能解析(免疫沈降等による関連タンパク質の同定とネットワークの解明) GISTにおけるPfetin及び滑膜肉腫におけるSecernin-1のタンパク質特異抗体を使用した免疫沈降等の実験を行うことで関連タンパク質の同定を行い、各腫瘍の予後や癌化に関与するタンパク質ネットワークを解明することを目的とする。使用するための細胞の増殖傾向等について検討した。次年度に免疫沈降実験を行う予定である。
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