研究課題/領域番号 |
22791405
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
末原 義之 順天堂大学, 医学部, 助教 (70509405)
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キーワード | プロテオミクス / 骨軟部腫瘍 / GIST / Ewing肉腫 / 滑膜肉腫 |
研究概要 |
(1)バイオマーカー(予後予測マーカー)の国内海外多施設における大規模検証 (a)我々が既に発見しているGIST予後予測マーカーであるPfetin及び今回の研究で新規に予後マーカーとして同定したDDX39について予後予測マーカーの臨床応用を目的とした免疫染色大規模検証を行った。国立がんセンター・順天堂大学等の多施設共同研究に基づき約300検体について免疫染色・臨床病理学的解析を行った。その結果、統計学的有意差を持って予後マーカーとしての有用性が示され、既知の我々の研究結果を強く支持した。論文発表を行った。 (b)Ewing肉腫予後予測マーカーであるNPM1における免疫染色による国内外大規模検証を行った。その結果は統計学的有意差を持って予後マーカーとしての有用性が示され、既知の我々の研究結果を強く支持した。次年度も課題腫瘍に対してさらなる検証を進める。 (2)免疫沈降等による関連タンパク質の同定とネットワークの解明:各種予後予測マーカーであるGISTにおけるPfetin、Ewing肉腫におけるNPM1及び滑膜肉腫におけるSecernin-1の各種特異抗体等及び細胞実験系を用い免疫沈降等を行った。その結果、各腫瘍の予後や癌化に関与するタンパク質ネットワークデータの同定に成功した。現在解析中である。 (3)Pfetinプロモーター領域のメチル化と変異の検討:71例のGISTのDNAを用いCpGenome^<TM> DNA Modification Kitを使用してBisulfite Modificationを行った。そのデータを元にメチル化の状態と免疫染色によるPfetin発現との関連の解析を行った。現在解析中である。さらにPfetinのCodon308におけるmutationも検索中である。 (4)骨巨細胞腫におけるp53遺伝子変異の悪性転化への関与の可能性:悪性転化例を含む30例の骨巨細胞種を対象としたp53遺伝子変異検索及びGPX-1,CyclinD1,Ki-67の免疫染色を行い、蛋白発現と臨床像との関連性の解析を行った。現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した本研究目的:骨軟部腫瘍の凍結検体を使用したプロテオーム解析の元に、(i)タンパク質発現の網羅的解析にて、予後予測マーカーや組織特異的マーカーの開発を行う。(ii)各々の腫瘍にて同定された予後予測タンパク質に対して、バイオマーカーとしての可能性・有用性の検証を行う。(iii)バイオマーカーとして有用と判断されたタンパク質、及びタンパク質発現プロファイリングで同定されたタンパク質の機能解析を行う。上記3項目について研究課題の腫瘍種類を拡大しつつ予定通り遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の目的・計画として、骨軟部腫瘍の凍結検体を使用したプロテオーム解析の元に、(i)タンパク質発現の網羅的解析にて、予後予測マーカーや組織特異的マーカーの開発を行い(ii)各々の腫瘍にて同定された予後予測タンパク質に対して、バイオマーカーとしての可能性・有用性の検証を行う。(iii)バイオマーカーとして有用と判断されたタンパク質、及びタンパク質発現プロファイリングで同定されたタンパク質の機能解析を行う。GIST,Ewing肉腫,滑膜肉腫及び悪性骨巨細胞種について引き続き研究を行う。
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