<計画>本研究は骨軟部腫瘍の手術検体を使用したプロテオーム解析を行うことで、(i)予後予測マーカーや組織特異的マーカーの開発を行い、(ii) 各々の腫瘍にて同定された予後予測タンパク質に対しては、バイオマーカー(予後予測マーカー)としての可能性・有用性の検証を行う。(iii)バイオマーカーとして有用と判断されたタンパク質は、治療ターゲット及び機能解明のための機能解析を行う。 <結果>タンパク質発現解析を行い同定した予後予測マーカーであるPfetinとDDX39 (GIST)、Secernin-1(滑膜肉腫)、NPN1(Ewing肉腫)タンパク質等について、特異抗体を用いた免疫染色による国内海外多施設研究を行い、それぞれのタンパク質の発現が予後に有意に差があることを確認することに成功し、予後予測マーカーとして有用であることを証明した。Pfetinタンパク質(GIST)、Secernin-1タンパク質(滑膜肉腫)、NPM1(Ewing肉腫)の免疫沈降等の実験を行い、相互タンパク質(interaction protein)の同定に成功した。また、それぞれのターゲットタンパク質(遺伝子)発現の強制抑制及び強制発現を行い、その状況下における細胞増殖能の観察と制御タンパク質の網羅的タンパク質のプロファイリングを行った(現在解析中)。またGISTパラフィン固定検体より抽出したDNAを用いてメチル化修飾及び、シークエンスの行い解析を行い、Pfetinのある特定部位のORF変異がPfetinタンパク質発現及びGISTの生命予後に特異的に関与していることを同定した。
|