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2011 年度 実績報告書

変形性関節症における関節軟骨、関節液中のタンパク分解酵素の活性に関する包括的解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791411
研究機関独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター)

研究代表者

岩澤 三康  独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 統括診療部・整形外科, 医師 (60574093)

キーワード変形性関節症 / 関節軟骨 / ウロキナーゼ / プラスミン
研究概要

ヒトOA罹患関節から採取した軟骨をhomogenizerで破砕して種々のタンパク分解酵素について定量を行った結果、従来着目されることの少なかったウロキナーゼがOA軟骨中に相当の量含まれていることを見出した。OA関節において変性部から採取した軟骨(変性OA軟骨)の破砕抽出液においてウロキナーゼは肉眼的な非変性部(非変性OA軟骨)から調整した抽出液の約3倍の量が含まれており(軟骨湿重量で補正した値)、この値は剖検例において採取した肉眼的に正常な膝関節軟骨からの抽出液の非変性軟骨のおよそ12倍に相当した。この結果にもとづいて対照軟骨、OA軟骨の各領域におけるウロキナーゼのmRNAの発現を検討したところ、ウロキナーゼの発現は軟骨変性部において対照軟骨の平均23倍と大幅に亢進していることが明らかになった。この結果は軟骨変性部においてウロキナーゼの発現亢進に伴ってプラスミンの活性が亢進している可能性を示す。したがって次に軟骨抽出液中のプラスミン活性を計測したところ、プラスミンの活性も予想通りOA軟骨変性部において非変性部より高く、また非変性部においても対照軟骨より優位に高いという結果を得た。プラスミンは種々のMMPを活性化するほか自身も種々のタンパクを分解する強力なタンパク分解酵素の一つである。今回得られた知見は、OA軟骨において従来着目されていたmatrix metalloproteinases以外にウロキナーゼやプラスミンといったserine proteinasesも軟骨の基質分解に重要な働きをしている可能性を示すものである。

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公開日: 2013-06-26  

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