ヒト成人における甘味誘発鎮痛 (sweet-substance induced analgesia : SIA) 効果のメカニズムをfunctional MRI : fMRIを用いて全容解明を試みた。甘味摂取時の疼痛脳活動は、無味摂取時の脳活動反応に比して抑制された。甘味摂取後、眼窩前頭野と腹側線条体の活動が検出された。甘味による鎮痛効果は確かに存在し、痛み関連脳領域の活動も、甘みによって抑制されている。甘味摂取時の眼窩前頭野と腹側線条体の活動は、SIAのメカニズムに報酬系の脳活動を介したドーパミンの分泌、下行性抑制系賦活の関与を強く示唆する。
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