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2012 年度 研究成果報告書

視覚刺激を利用した疼痛に対する注意の定量化と脳機能イメージングによるメカニズム解明

研究課題

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研究課題/領域番号 22791420
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 麻酔・蘇生学
研究機関東京大学

研究代表者

住谷 昌彦  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80420420)

研究期間 (年度) 2010 – 2012
キーワード疼痛管理学
研究概要

疼痛の知覚は体性感覚刺激の物理量だけでなく様々な認知機能の影響を受ける。本研究では疼痛知覚に影響を与える認知機能のうち最も影響の大きい"注意"機構に着目し、これまで我々は視覚と疼痛の相互作用を明らかにしてきたことから痛みに対する"注意"を視覚情報の錯覚性認知を利用して定量化する方法の開発とその大脳メカニズムを解明することを目的としている。Illusorylinemotion(線運動錯視)と呼ばれる視覚刺激の錯覚性認知を利用した左右半空間に分布する"注意"の評価方法を定量化する方法の開発を行った。具体的には、モニターに提示した左右2つのcueのうちいずれか一方を消去し0-300ミリ秒の感覚(cueleadtime)を空けて両cueがあった場所を結ぶ直線を提示し、そその直線が左右のどちらかから引かれたかを回答させる。Cueleadtimeを変化させることによって注意分布の強さを定量することができる。この方法を用いてこれにより上下肢の左右のいずれかに持続痛を有する患者を対象に、線運動錯視から"注意"の偏位を定量化した。さらに患肢および健肢に対する電気刺激を用いて疼痛に対する注意が体性感覚刺激方向に中和・偏位(増強)することを複数の条件で調査し、このような注意の偏位は体性感覚刺激の物理的電圧量ではなく主観的に知覚される体性感覚経験の大きさに依存することを明らかにした。また、主観的に知覚される体性感覚経験の大きさと自発痛の左右バランスによって注意の方向、大きさが変化することも併せて明らかにし、体性感覚系における注意分布は自発痛と体性感覚刺激が同じ効果を与えることを示した。このような注意分布における脳機能画像研究を、前頭葉近赤外線スペクトロスコピーを用いて評価した。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2013 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (15件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 痛みの評価法-どこまで痛みを評価できるか.2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦.
    • 雑誌名

      Progress in Medicine

      巻: 33 ページ: 73-6

  • [雑誌論文] 痛みのメカニズム:痛覚と痛み認知.2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦, 宮内哲
    • 雑誌名

      作業療法ジャーナル

      巻: 47 ページ: 10-15

  • [雑誌論文] 先端科学と理学療法:認知神経科学に基づく疼痛治療.2012

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦, 宮内哲, 山田芳嗣
    • 雑誌名

      理学療法学

      巻: 39 ページ: 494-8

  • [雑誌論文] 慢性疼痛のメカニズムと最新治療-脳内機序の解明に向けて2012

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦, 宮内哲
    • 雑誌名

      理学療法ジャーナル

      巻: 46 ページ: 111-6

  • [学会発表] 幻肢と幻肢痛とその対応.2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦
    • 学会等名
      第4回電動義手研究会
    • 年月日
      2013-03-17
  • [学会発表] 手の痛みと認知神経ロボティクス.2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦、宮内哲,他
    • 学会等名
      ヒューマン情報処理研究会
    • 年月日
      2013-03-14
  • [学会発表] 慢性疼痛患者の情動的な痛みの性質は、痛みの病態を現すか?2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦、関山裕詩
    • 学会等名
      第42回日本慢性疼痛学会
    • 年月日
      2013-02-23
  • [学会発表] 新しい痛みの病態の理解:中枢機能障害性疼痛2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦
    • 学会等名
      第42回日本慢性疼痛学会
    • 年月日
      2013-02-22
  • [学会発表] 身体の防御機構:痛み.2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦
    • 学会等名
      日本アロマセラピー学会関東地方会
    • 年月日
      2013-02-17
  • [学会発表] 神経障害性疼痛と中枢機能障害性疼痛の疾患概念.2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌
    • 学会等名
      第4回かがわ痛みと運動障害研究会
    • 年月日
      2013-01-26
  • [学会発表] 難治性疼痛と認知神経ロボティクス2013

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦
    • 学会等名
      第6回「宮城県痛みを考える会」
    • 年月日
      2013-01-19
  • [学会発表] がん関連神経障害性疼痛に対する神経障害性疼痛スクリーニング質問票の妥当性.2012

    • 著者名/発表者名
      大淵麻衣子、住谷昌彦
    • 学会等名
      第46回日本ペインクリニック学会
    • 年月日
      2012-07-06
  • [学会発表] 認知神経科学に基づく疼痛治療.2012

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦、宮内哲、山田芳嗣
    • 学会等名
      第47回日本理学療法学術大会
    • 年月日
      2012-05-26
  • [学会発表] ヒトの痛みと情動を知る方法2012

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦
    • 学会等名
      高知いたみ研究会セミナー
    • 年月日
      2012-01-28
  • [学会発表] CRPS-その発症機序の考察2011

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会
    • 年月日
      2011-07-22
  • [学会発表] 障害性疼痛患者の高次機能(注意と他者理解)2011

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦,宮内哲,山田芳嗣.臨床神経
    • 学会等名
      第33回日本疼痛学会
    • 年月日
      2011-07-22
  • [学会発表] 複合性局所疼痛症候群(CRPS)に対する認知神経リハビリテーションとそのメカニズム.2011

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦
    • 学会等名
      身体運動セミナーIII
    • 年月日
      2011-06-05
  • [学会発表] 錯視を用いた疼痛に対する注意の定量化(第一報:基本的発見).2010

    • 著者名/発表者名
      植松弘進,住谷昌彦,柴田政彦,松田陽一,阪上学,井上隆弥,眞下節.
    • 学会等名
      第32回日本疼痛学会.
    • 年月日
      2010-07-25
  • [学会発表] 錯視を用いた疼痛に対する注意の定量化(第二報:脊髄刺激療法の効果:case-series study).2010

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦,植松弘進,辛正廣,関山裕詩,山田芳嗣.
    • 学会等名
      第32回日本疼痛学会
    • 年月日
      2010-07-25
  • [図書] Advances in Psychology Research 892012

    • 著者名/発表者名
      Sumitani M, Miyauchi S
    • 出版者
      Nova press
  • [図書] 帯状疱疹Up-to-Date2012

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦,小暮孝道,山田芳嗣
    • 出版者
      診断と治療社
  • [図書] 痛みのマネジメント-痛みの分類と神経障害性疼痛の定義・診断・治療について-.Excerpta2010

    • 著者名/発表者名
      住谷昌彦, 山田芳嗣
    • 出版者
      Medica社

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公開日: 2014-08-29  

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