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2010 年度 実績報告書

吸入麻酔薬の心筋保護作用に関わる分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22791426
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

小嶋 亜希子  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50447877)

キーワードCa^<2+>パラドックス / TRPCチャネル
研究概要

虚血再灌流傷害はおもに活性酸素種による細胞傷害が主因とされ多くの研究が重ねられてきたが、活性酸素を抑制しても未だ再灌流傷害を十分抑制できていないことから、別の細胞傷害メカニズムの抑制を相加する必要が生じた。我々は再灌流時に流入する多量のCa^<2+>による細胞死メカニズム(細胞内Ca^<2+>予過負荷)に着目し、その発生機構にTRPCチャネルを介するCa^<2+>流入が寄与しているという可能性を分子生物学的手法より検討した。
心筋細胞をCa^<2+>を含まない溶液で灌流した後に再びCa^<2+>を含む溶液で灌流すると、拘縮を伴う急激な細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が認められる。この現象をCa^<2+>パラドックスといい、虚血再灌流時のCa^<2+>過負荷による心筋傷害を検討する重要な実験モデルであると考えられている。我々は、単離マウス心室筋細胞に、共焦点レーザ顕微鏡による細胞内Ca^<2+>濃度のイメージング解析を行い、Ca^<2+>パラドックスの発生に関わる分子・細胞内メカニズムについて以下の点を明らかにした。
1.Ca^<2+>パラドックスの発生にはTRPC (transient receptor potential canonical)チャネル(その中でも主にTRPC1アイソフォーム)を介するCa^<2+>流入が関与している。
2.そのTRPCチャネルの活性化には筋小胞体内のCa^<2+>含量の減少が寄与している。
3.リアノジン受容体もしくはNa^+/Ca^<2+>交換機転を阻害することで、筋小胞体内Ca^<2+>含量が維持されると、Ca^<2+>パラドックスの発生率は減少する。
4.生細胞内ATP産生を阻害するジニトロフェノールの投与により、筋小胞体内Ca^<2+>含量が減少しCa^<2+>パラドックスの発生率は増加する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Ca^<2+> paradox injury mediated through TRPC channels in mouse ventricular myocytes2010

    • 著者名/発表者名
      Akiko Kojima
    • 雑誌名

      British Journal of Pharmacology

      巻: 161 ページ: 1734-1750

    • 査読あり
  • [学会発表] Sevoflurane protects cardiomyocyte from Ca^<2+> paradox by preserving SR Ca^<2+> and blocking TRPC channel2010

    • 著者名/発表者名
      Akiko Kojima
    • 学会等名
      Annual Meeting of the American Society of Anesthesiologists
    • 発表場所
      San Diego, California, USA
    • 年月日
      2010-10-16
  • [学会発表] セボフルランのプレコンディショニングおよびポストコンディショニング作用を介する心筋細胞のCa^<2+>パラドックスの抑制2010

    • 著者名/発表者名
      小嶋亜希子
    • 学会等名
      第57回日本麻酔科学会学術集会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡(福岡県)
    • 年月日
      2010-06-04

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公開日: 2012-07-19  

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