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2010 年度 実績報告書

TLR活性化と低酸素刺激とのクロストークによるマイクログリア制御と低温・高温効果

研究課題

研究課題/領域番号 22791435
研究機関山口大学

研究代表者

松井 智浩  山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50314828)

キーワード脳低温療法 / マイクログリア / TLR2 / TNF-α / IL-10 / NO / NF-κB / 高温培養
研究概要

【目的】活性化マイクログリアが産生するサイトカインや一酸化窒素(NO)は脳障害増悪に関与する。よって、脳低温療法はマイクログリアからのこれらの神経傷害性因子産生を軽減し、脳保護効果をもたらす可能性がある。マイクログリアに発現するToll様受容体(TLR)は損傷細胞から遊離・放出される内因性物質によって活性化される。本研究では、TLR2活性化マイクログリアの炎症性・抗炎症性サイトカインとNO産生ならびに核内転写因子NF-κB活性化に低温・高温が及ぼす影響を調べた。
【方法】新生仔ラット脳より単離したマイクログリアをTLR2活性化剤(Pam_3CSK_4)で刺激し、33-37-39℃下で48時間まで培養した。培養上清中のサイトカイン(TNF-αおよびIL-10)産生量はELISAにて、NO産生量は比色法にて、また、核内NF-κBp65活性化はELISAにて、それぞれ測定した。
【結果】TNF-α産生は3-6時間、IL-10産生は24-48時間、NO産生は48時間、また、NF-κBp65活性化は0.5時間で、各々、37℃に比べ33℃では低値、39℃では高値を示した。
【結論】低温はTLR2活性化マイクログリアのNF-κB活性化とその後の早期におけるTNF-α、後期におけるIL-10およびNO産生を抑制した。よって、脳低温療法による脳保護作用の一機序に、マイクログリアのNF-κB活性化阻害を介した早期での炎症反応抑制と後期での炎症・抗炎症反応抑制が関与することが示唆された。高温はマイクログリアのNF-κB活性化とTNF-α、IL-10およびNO産生を増加させた。これらの時系列的温度依存性変化は、低温下での脳保護効果および高温下での脳障害増悪における病態把握に、TNF-αが早期の、IL-10/NOが後期の、重要なマーカーになりうることを示唆する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Release of prostaglandin E_2 and nitric oxide from spinal microglia is dependent on activation of p38 mitogen-activated protein kinase2010

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro MATSUI, et al.
    • 雑誌名

      Anesth.Analg.

      巻: 111 ページ: 554-560

    • 査読あり
  • [学会発表] 全身性エリテマトーデス患者の動脈硬化性病態における抗リン脂質抗体の影響2010

    • 著者名/発表者名
      本木由香里, ほか
    • 学会等名
      第11回日本検査血液学会
    • 発表場所
      江東区(東京都)東京ビッグサイト
    • 年月日
      2010-07-24
  • [学会発表] 軽度低温はATP活性化マイクログリアのp38 MAPK活性化阻害を介し炎症性因子を抑制する2010

    • 著者名/発表者名
      松井智浩, ほか
    • 学会等名
      第13回日本脳低温療法学会
    • 発表場所
      豊中市(大阪府)千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2010-07-03
  • [図書] 臨床検査学実習書シリーズ/輸血・移植検査学実習書 第1版「不規則抗体の検索と同定」2010

    • 著者名/発表者名
      松井智浩, ほか
    • 総ページ数
      1-111
    • 出版者
      医歯薬出版株式会社

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公開日: 2012-07-19  

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