マイクログリアは脳低酸素・虚血や脳外傷時に活性化され、神経傷害性因子放出を介し、脳障害増悪に関与する。よって、脳低温療法は活性化マイクログリアのそれらの産生を低下させ、脳保護効果をもたらす可能性がある。本研究では、低酸素性虚血性(HI: hypoxia-ischemia)脳障害由来マイクログリアを用い、Toll 様受容体(TLR2 および TLR4)刺激によるサイトカイン(炎症性: TNF-α、抗炎症性: IL-10)および一酸化窒素(NO)産生を 33℃と 37℃培養下で比較した。その結果、TNF-α産生は培養 6 時間、IL-10 と NO 産生は培養 48 時間で、各々、37℃に比べ 33℃では低値を示し、軽度低温は HI 脳障害由来活性化マイクログリアの早期での TNF-αおよび後期での IL-10/NO 産生を抑制することが判明した。この機序は HI脳障害に対する脳低温療法の脳保護機構になることが示唆された。
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