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2011 年度 実績報告書

ドコサヘキサエン酸の新規疼痛制御機能の解明と神経障害性疼痛緩和を目指した基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 22791459
研究機関神戸学院大学

研究代表者

中本 賀寿夫  神戸学院大学, 薬学部, 助教 (30432636)

キーワード長鎖脂肪酸受容体 / GPR40 / 抗侵害作用 / ドコサヘキサエン酸
研究概要

本研究は、ドコサヘキサエン酸(DHA)のβ-エンドルフィン遊離を介した抗侵害作用機序の解明を目的として、長鎖脂肪酸受容体GPR40に着目し、これらを介した疼痛制御機構を解明することを目的とした。
はじめに、中枢神経系における長鎖脂肪酸受容体GPR40のタンパク質発現を明らかにするためにwestern blot法を用いて検討を行なったところ、大脳皮質、中脳、延髄、視床下部、海馬、嗅球、線条体そして小脳と幅広くタンパク質発現を確認することができた。特に、視床下部、中脳および延髄においては、他の部位と比べて多く発現していることを見出した。
次に、中枢神経系に発現しているGPR40が疼痛制御機構に関与しているかについて、GPR40およびGPR120の選択的アゴニストGW9508を用いて検討を行ったところ、ホルマリン試験においてGW9508の脳室内投与はホルマリン誘発疼痛行動を用量依存的に抑制することを明らかにした。さらに、この疼痛行動の抑制はオピオイド受容体拮抗薬や抗β-エンドルフィン抗血清の前処置によって有意に抑制されることから、これらの機序に、オピオイド神経系が関与している可能性も示唆された。さらに、β-エンドルフィンの免疫組織学的検討より、DHAおよびGW9508を脳室内投与後に視床下部弓状核においてβ-エンドルフィン陽性領域の増加が認められた。したがって、GPR40がβ-エンドルフィンの分泌に関与している可能性が示唆される。
これらの結果より、DHAによる抗侵害作用の発現には脳内GPR40を介したβ-エンドルフィンの遊離が関与している可能性が示された。さらに、脳内GPR40が疼痛制御機構を担う新たな標的分子となる可能性が示された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Involvement of the long-chain fatty acid receptor GPR40 as a novel pain regulatory system2012

    • 著者名/発表者名
      Nakamoto K
    • 雑誌名

      Brain Res

      巻: 1432 ページ: 74-83

    • DOI

      10.1016/j.brainres.2011.11.012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unsaturated fatty acid and pain2011

    • 著者名/発表者名
      Tokuyama S
    • 雑誌名

      Biol.Pharm.Bull.

      巻: 34 ページ: 1174-1178

    • DOI

      10.1248/bpb.34.1174

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Possible involvement of β-endorphin in docosahexaenoic acid-induced Antinociception2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamoto K
    • 雑誌名

      Eur.J.Pharmacol

      巻: 666 ページ: 100-104

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2011.05.047

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新規疼痛制御物質としての不飽和脂肪酸の現状と今後の展望2011

    • 著者名/発表者名
      徳山尚吾
    • 雑誌名

      日本緩和医療薬学会雑誌

      巻: 4 ページ: 45-51

    • 査読あり
  • [学会発表] 長鎖脂肪酸受容体GPR40を介した新規疼痛制御機構の関与と慢性疼痛時におけるその受容体発現変化2012

    • 著者名/発表者名
      松本健吾
    • 学会等名
      第132年会日本薬学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120328-20120331
  • [学会発表] ドコサヘキサエン酸による抗侵害作用の発現機序の解明2012

    • 著者名/発表者名
      西中崇
    • 学会等名
      第132年会日本薬学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120328-20120331
  • [学会発表] 新規疼痛制御機構系としての長鎖脂肪酸受容体GPR40の関与2012

    • 著者名/発表者名
      中本賀寿夫, 西中崇, 松本健吾, 万倉三正, 小山豊, 徳山尚吾
    • 学会等名
      第85回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20120314-16
  • [学会発表] 長鎖脂肪酸受容体GPR40を介した抗侵害作用とそれにおけるβ-エンドルフィンの関与2011

    • 著者名/発表者名
      中本賀寿夫, 西中崇, 松本健吾, 万倉三正, 徳山尚吾
    • 学会等名
      第41回日本精神神経薬理学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20111027-29
  • [学会発表] 長鎖脂肪酸受容体GPR40を介した新たな疼痛制御機構の可能性2011

    • 著者名/発表者名
      中本賀寿夫, 西中崇, 松本健吾, 万倉三正, 徳山尚吾
    • 学会等名
      第5回緩和医療薬学会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      20110923-24
  • [学会発表] ドコサヘキサエン酸による抗侵害作用の基礎的検討2011

    • 著者名/発表者名
      西中崇, 松本健吾, 中本賀寿夫, 万倉三正, 徳山尚吾
    • 学会等名
      第22回霧島神経薬理フォーラム
    • 発表場所
      蒜山
    • 年月日
      20110819-21
  • [学会発表] ドコサヘキサエン酸の抗侵害作用発現におけるGPR40の関与2011

    • 著者名/発表者名
      松本健吾, 西中崇, 中本賀寿夫, 万倉三正, 徳山尚吾
    • 学会等名
      第119回日本薬理学会近畿部会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011-07-09

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公開日: 2013-06-26  

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