研究課題
精巣腫瘍は、化学療法の奏功率が非常に高く、有転移例であっても集学的治療により治癒が見込める数少ない悪性腫瘍の一つである。非セミノーマでは、αフェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が腫瘍マーカーとして臨床使用されており、予後予測や治療効果、再発時の判定材料として重要な役割を担っているが、セミノーマには、特異的な腫瘍マーカーが存在していないのが現状で、本研究はセミノーマに特異的なバイオマーカー確立に向けての数少ない研究である。申請者らは、セミノーマ発癌関連遺伝子探索を目的としたマイクロアレイによる網羅的解析の結果、106個の遺伝子が正常精巣組織よりもセミノーマで強く発現していること、さらに6遺伝子については、蛋白レベルでもセミノーマ細胞で高発現していることを確認している。また、共同研究者である石井は、DNMT3A(DNA-methyltransferase 3A)遺伝子について、イントロン25部位における低メチル化の程度が精巣腫瘍における同遺伝子の高発現と関連していることを報告している。(1)今回、DNMT3Aに対する抗体(マウス、ラビット)について、フローサイトメトリーを行った。正常精巣由来のHs1細胞では反応が見られなかったが、精巣腫瘍由来のNCCIT細胞では両抗体にて反応を認めた。また、Triton処理により反応が増大した。(2)一方、臨床像との関連を調べるため、手術時に摘出されたセミノーマ組織に対して、DNMT3Aに対する抗体を用いて免疫染色を行った。現在、数検体において免疫染色での発現が確認されたが、多数検体での発現様式と臨床像や病理組織学的パラメーターを比較検討するまでには至らなかった。
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http://www.uro.med.tohoku.ac.jp/index.html