健常人と膀胱癌患者の尿中RANTESの濃度を比較し、膀胱癌患者の尿中RANTESの濃度が有意に上昇していることが確認できた。また比較的悪性度の低い膀胱癌でも有意な上昇を認めていることから、膀胱癌の早期発見につながる新たな腫瘍マーカーとしての可能性が示唆されたと同時に、尿細胞診などの低浸襲な検査と組み合わせることによって、より腫瘍マーカーとしての感度、特異度を増幅させられる可能性が出てきた。また、膀胱癌の悪性度、浸潤度と尿中RANTESの濃度も相関関係にあった。さらにRANTESの主な受容体であるCCR5の膀胱癌組織における免疫染色でも染色度と膀胱癌の浸潤度は極めてよく相関したことから、RANTESやCCR5は膀胱癌の進行過程において重要は役割を果たしている可能性が示唆された。
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