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2010 年度 実績報告書

血中イソフラボン濃度の前立腺癌発症・増殖に与える影響に関する予防疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22791468
研究機関群馬大学

研究代表者

宮久保 真意  群馬大学, 医学部, 助教 (30570519)

キーワード癌 / 疫学研究 / 前立腺癌 / イソフラボン / 前立腺癌検診
研究概要

本研究は、臨床的な前立腺癌を認めない時期における血中イソフラボン濃度が、その後の前立腺癌発症に影響するか否かを調べるために行う症例対照研究である。研究対象は群馬県における前立腺癌検診を複数回受診し、保存血清の研究への利用について同意が得られた症例の中から、症例群として基礎値が4.0ng/ml以下で、その後の検診にてPSAの上昇を契機に前立腺癌が診断された20症例と、症例群の各症例と初回受診時の年齢(±1歳)とPSA値(±0.2ng/ml)を症例数を1:2(症例群:コントロール群)マッチさせた非前立腺癌症例40例(コントロール群)である。症例群(20例)とコントロール群(40例)において、PSA基礎値が測定された時点の凍結保存血清(-70℃保存)を用い、血中イソフラボンは、ゲニステイン(genistein)、ダイゼイン(daidzein)、グリシスティン(glycitein)、エクオール(equol)の4成分を液体クロマトグラフータンデム型質量分析計(LC/MS/MS)を用いてSRL(Tokyo,Japan)による測定をおこなった。4成分測定値をStudent's t-test(危険率5%)で有意差検定を行ったところ、ゲニステイン、ダイゼイン、エクオールには有意差を認めず(P値はそれぞれ、0.30、0.062、0.83)、グリシスティンにのみ有意差を認めた。(p=0.032)症例群、コントロール群のエクオール産生症例数はそれぞれ9例、22例であり、エクオール非産生群のおける前立腺癌発症のオッズ比は1.49(95% CI:0.50-3.49)であった。がん抑制効果が期待されるエクオールは、両群の測定値における有意差は認めないものの、エクオール非産生群の前立腺癌発症リスクは高いことが分かった。グリシスティン濃度が将来の前立腺癌発症に影響するかは今後の検討が必要である。

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公開日: 2012-07-19  

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