研究概要 |
MetSモデルマス(B6.V-Lepob)の繁殖とグリオキシル酸(GOX)投与による結石形成機序の解明(In vivo) 8週齢のwild type, ob/obの各3匹に対し、グリオキシル酸(GOX) (A) 25, 50mg/kg (B) 1.5mg, 3mg/bodyを連日腹腔内投与をおこなった。50mg/kg投与と3mg投与では結石形成の有意差は認められず、総投与量または体重あたり投与量の両者では差がないことが判った。 各6匹に、GOX50mg/kgを連日腹腔内投与して結石形成マウスを作成し、投与6日目に腎組織内の結晶形成量、血液・尿生化学を評価した。ob/obは有意に結石増加を認めた(p<0.01)。血液生化学検査では、ob/obにおいてTG, T-chlは有意に高値であった(p<0.05)がUA、Ca、P、Mgは有意差を認めなかった。尿生化学検査では両群間に有意差を認めなかった。 OPN, SOD, MCP-1, F4/80, Adiponectinの腎組織発現を免疫染色、western blotting、定量PCRで評価した。OPN、MCP-1、F4/80は、結石形成に伴い発現の増加がみられた。SOD、アディポネクチンはob/obマウスにおいて発現の減少を認めた。MetSでは結石形成が促進され、無機物質の代謝以外の経路が存在する可能性が示唆され、MetSによる炎症の亢進、酸化ストレス増加が結石形成を促進する一因と考えられた。アディポネクチンの低下が結石形成に関与する可能性が示唆された。 脂肪細胞存在下におけるマウス尿細管上皮細胞(M-1)とシュウ酸カルシウム-水和物(COM結晶)の接着能の検討(脂肪細胞のパラクリン機能の評価)(In Vitro) M-1および3T3-L1培養細胞の安定した継代、cell lineを確立し、共培養(接触型、非接触型)の条件を確立した。
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