• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

酸素ナノバブル水による尿路結石形成の抑制機序の解明と予防法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22791483
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

廣瀬 泰彦  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (60381894)

キーワード腎結石 / 酸素ナノバブル水 / 炎症 / 細胞障害 / 高シュウ酸尿症 / 腎結石形成ラットモデル
研究概要

尿路結石は再発率が高く、長期間にわたる予防が必要とされ、継続が容易な予防法が必要である。シュウ酸前駆物質を投与した動物モデルから、結石形成には、シュウ酸による酸化ストレス、尿細管細胞障害の関与があり、抗酸化物質の抗酸化作用、尿細管細胞障害抑制作用により、結石形成が抑制されることがわかっている。しかし、長期間内服継続が必要な結石の予防には、ビタミンEなどの抗酸化物質は、服薬コンプライアンスの問題がある。近年、酸素を直径100nm以下のガス核として、Salting-out現象により安定化させた機能水、酸素ナノバブル水の抗炎症作用が報告された。炎症や組織改変をともなう動脈硬化などの疾病の治療薬となる可能性がある。尿路結石と動脈硬化は、疫学、形成機序、結石と石灰化の構成成分など類似点が多い。そこで、私たちは、尿路結石形成モデルラットを用いて、酸素ナノバブル水の尿路結石形成抑制効果を調べた。
ラット腎の結石形成量は、酸素ナノバブル水を飲水することで有意に減少した。また、酸素ナノバブル水によって、尿中N-acetyl-β-D-glucosaminidase(NAG)排泄が低下し、腎断面におけるオステオポンチン、ヒアルロン酸の発現面積は減少した。このことから、酸素ナノバブル水の尿路結石形成抑制機序は、尿細管細胞障害を抑制することで、結石形成に必須の構成成分であり、炎症に伴い分泌されるオステオポンチンや、結晶接着分子であるヒアルロン酸の尿細管腔での発現が抑制され、結果として結晶の沈着が減少すると考えられた。酸素ナノバブル水の飲用は、腎結石に対して、有効な予防法となる可能性が示唆された。酸素ナノバブル水は、塩分を含む水から生成され、生成に化合物を用いないため、安全上の問題を想定しづらい。今後、抗炎症作用をもつユニークな新規物質として、結石の予防を含む医療分野で使用されることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 酸素ナノバブル水は尿路結石形成を抑制する2011

    • 著者名/発表者名
      廣瀬泰彦
    • 学会等名
      第7回ナノバブル研究会
    • 発表場所
      東京医科歯科大学3号館(東京都)
    • 年月日
      2011-12-02
  • [図書] 泌尿器科レジデントマニュアル(監修郡健二郎、編集佐々木昌一、戸澤啓一、丸山哲史)2011

    • 著者名/発表者名
      廣瀬泰彦
    • 総ページ数
      17-37
    • 出版者
      医学書院

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi