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2010 年度 実績報告書

精嚢分泌タンパク質による精子膜構造の制御を介した受精能抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22791502
研究機関桐蔭横浜大学

研究代表者

吉田 薫  桐蔭横浜大学, 先端医用工学センター, 講師 (70398973)

キーワード精子 / 受精能 / 膜ラフト / 糖脂質 / 膜タンパク質
研究概要

本研究では精嚢分泌タンパク質による精子膜構造の制御を介した精子運動・受精能獲得抑制機構について研究を行う。申請者はこれまでにSEMが精子の運動及び受精能獲得過程を抑制する作用を持つことを明らかにしているが、その受容分子機構についてはガングリオシドGM1の関与の他はほとんど明らかになっていない。特異的な受容体が存在する場合、その受容体が精子膜ラフト構造に関連して存在することが考えられるので受容体と相互作用する構成タンパク質を同定しシグナル伝達経路を明らかにする.一方、ヒト精子において受精能獲得前後でSEMGが精子膜ラフト構造の変化に影響を及ぼすことを確認しているのでSEMGの結合タンパク質と精子陣ラフト構造の関連について検討する。(1)膜ラフト構造への影響の検討:ヒト精子におけるSEMGによる膜ラフト構造への影響はこれまでの研究である程度明らかになってきているが、精子の洗浄法および固定法等に大きく影響を受けるので慎重に検計する必要がある.従って、本年度は改めて精子洗浄法による膜ラフト構造変化を検討した。具体的には、精子を採取し各種洗浄の後、受精能獲得のための培地中で培養する際に培地にSgを添加して先体反応及び精子運動超活性化と膜ラフト構造の変化を観察した。膜ラフト画分を定法に従って精製を試みたが、その後の他の研究の展開によりラフトマーカーの分布について異論があり、さらなる検討が必要となった。
(2)精子ミトコンドリアと運動性の関連検討:SEMGが精子中片部に結合している可能性は電子顕微鏡観査で明らかになってきているがシトコンドリア機能との関連については未だ検討されていない。ヒトでは特に精子集団がヘテロであり、集団として解析するとその差異が検出できない可能性が大きい。そこで研究計画では新しい試みとしてシングルセルPCR用のスライドチャンバーを用い、運動性を観察した上でSEMGとの結合性を確認し、さらにPCRによりミトコンドリアDNA量および欠失の有無を検出することで精子一細胞ごとにミトコンドリア機能と運動性の関連を検討することになっていたが、交付予定額が機材の購入必要額に溝たないため購入は断食せざるを得ない。そこで、本年度は96穴プレートにてシングルセルPCRを行う検討を行ったが、シングルセルで増幅できる条件は未だ検討中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Lipid Rafts : Keys to Sperm Maturation, Fertilization, and Early Embry ogenesis2011

    • 著者名/発表者名
      Natsuko Kawano, Kaoru Yoshida, Kenji Miyado, Manabu Yoshida
    • 雑誌名

      Journal of Lipids

      巻: 2011 ページ: Article ID 264706

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Association of seminal plasma motility inhibitors/semenogelins with sperm in asthenozoospermia-infertile men2010

    • 著者名/発表者名
      Terai K, Yoshida K, Yoshiike M, Fujime M, Iwamoto T.
    • 雑誌名

      Urologia Internationalis

      巻: 85 ページ: 209-215

    • 査読あり
  • [学会発表] Evaluation of sperm quality based on SPMIs binding on ICSI outcome2010

    • 著者名/発表者名
      Terai K, Yoshida K, Yoshiike M, Iwamoto T, Matsuura R, Yoshida A
    • 学会等名
      11th International Symposium on SPERMATOLOGY Okinawa 2010
    • 発表場所
      Okinawa Convention Center
    • 年月日
      2010-06-02
  • [図書] Effects of the Seminal Plasma Proteins Semenogelin (SEMG)/Seminal Vesicle Secretion 2 (SVS2) on Sperm Fertility."Human Spermatozoa : Maturation, Capacitation and Abnormalities" Ed : Lejeune T and Delvaux Pascal pp205-220.2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshida K, Iwamoto T, Yoshida M
    • 総ページ数
      545
    • 出版者
      Nova Science Publishers
  • [備考]

    • URL

      http://www.cc.toin.ac.jp/univ/japanese/professor/bme/labot-kaoruy.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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