研究概要 |
腎細胞癌においてHIF-VEGF経路が小胞体ストレス応答の制御下にあるとの報告があり、GRP78の発現増強が新たに報告されている。平成22年度は腎癌検体を用いてGRP78発現と臨床病理因子との相関を検討した。GRP78陽性率は、悪性度、腫瘍進達度、静脈浸潤、所属リンパ節転移、遠隔転移と有意な相関があり、癌特異的および無増悪生存率は、GRP78陽性群で有意に不良であった。 基礎実験では、Caki-1, 786O, A498, 769Pと代表的な細胞株においてGRP78、IRE1共に発現が強く、現在までにGRP78及びIRE1発現を共に抑制することでより高い抗腫瘍効果が得られることを検証済みである。
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