網羅的DNAメチル化解析の結果より同定された膀胱がん特異的にDNAメチル化異常を生じる12遺伝子について膀胱がん患者尿を対象としたvalidation studyを行った。それぞれのマーカーにカットオフ値を設定し、6マーカー以上でDNAメチル化異常を認めた症例を異常と設定した。膀胱がん患者尿と健常者尿との比較検討では感度100%、特異度100%の正確さで膀胱がん診断が可能であった。同一症例における膀胱がん術後経時的尿の検証では、観察期間に再発を認めた7例中5例で再発時尿において6マーカー以上のDNAメチル化異常を認めた。観察期間に再発を認めなかった12例中10例では観察期間最終尿で6マーカー以上にDNAメチル化異常を認めなかった。これらの結果からわれわれが同定した遺伝子群のDNAメチル化異常は膀胱がん特異的に生じる変化であり、尿中剥離細胞に反映された。これらのマーカーは膀胱がん診断のスクリーニングのみならず、再発診断にも有用であることが示唆された。
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