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2010 年度 実績報告書

マイクロRNAを用いた子宮体部漿液性腺癌の新しい治療法の基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22791509
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 史彦  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20400343)

キーワード癌 / エピジェネティクス / miRNA / 子宮体癌 / 漿液性腺癌
研究概要

我々はmiRNAマイクロアレイの網羅的な発現解析により、漿液性腺癌検体に特異的に減少するmiR-34bに焦点をあて、培養細胞株を用いて機能解析を行い癌においてのmiR-34bの役割について検討した。機能解析として、合成したmiR-34bを漿液性腺癌細胞株2株(USPC-1、SPAC1-L)に細胞導入を用い、導入後の細胞増殖能(WST-assay)、遊走性(Migration-assay)、浸潤性(Invarsion-assay)、アポトーシス活性(Caspase活性測定、annexinV検出)、標的遺伝子の発現をウエスタンブロットにて確認した。
miR-34bのUSPC-1、SPAC1-L細胞への導入により、増殖能はそれぞれ16.8%、8.7%の有意差を持って減少した(p=0.0001,p=0.0055)。またCaspse活性はそれぞれ2.4倍、1.4倍上昇し(p=0.0001,p=0.0001)、AnnexinVによるフローサイトメトリー解析ではアポトーシス誘導細胞数は1.6倍、2.9倍に上昇した。さらに遊走性ではそれぞれ16.6%、42%の減少を示し(p=0.0062,p=0.0022)、さらに浸潤性はそれぞれ86.6%、80%の細胞数の減少が示された(p=0.001,p=0.0003)。またウエスタンブロットよりオンコジーンであるc-Metの発現が減少することが示された。
以上、miR-34bは漿液性腺癌細胞株において抗腫瘍効果を示し、特に浸潤能の抑制効果が顕著に示すことがわかった。またそれらの効果はc-Metを介した制御機構が関与すると示唆された。
これらの結果は漿液性腺癌において初めてmiRNAとの関連を示した報告であり、今後はさらに詳細な機能解析とin vivoでの抗腫瘍効果を確認し、さらには新たな抗腫瘍効果を示すmiRNAの同定・検証も行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 子宮体部漿液性腺癌においてmicroRNA-34bは癌抑制的な役割をもつ可能性がある2010

    • 著者名/発表者名
      廣木恵理, 赤平純一, 鈴木史彦, 永瀬智, 伊藤潔, 笹野公伸, 八重樫伸生
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-09-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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