排卵誘発に用いるクエン酸クロミフェン(CC)は選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)の一つである。CC治療は約80%と高い排卵率に比し、妊娠率は20~30%と低値である。その原因として、CCの抗エストロゲン作用による、子宮内膜細胞の増殖抑制が考えられているが、詳細な分子機構は明らかではない。本研究では、子宮内膜細胞に対するエストロゲン(E2)の増殖促進作用のCCによる抑制の分子機構を検討し、その機序として、ERαとそのcoactivatorであるSRC-1の結合の阻害による転写活性の阻害が重要であると考えられた。
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